ヒラエッセイ
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2002年3月29日(金) バリー岡田がやってきた!
人事異動の波がついに我が情報システム部にもやってきた。
なんと、部長が重役になり、課長が部長に、そして主任の僕が課長代理に・・・・・・なるかと思ったらこれだけはならなかったという人事なのであった。
「すげーなぁ、情報システム。ヒラリーマンとミッキー以外は昇格じゃないか!」
昇格しないのはいいけれど、ミッキーの野郎と一緒にされるのだけはかなわないのだ。(ミッキーをご存じない方は過去のエッセイをどうぞ)
「おまえの周りって出世するよなぁ。周りだけ」
やかましいやい!
しかし、問題は昇格ではない。課長人事だ。
我が課には課長代理がいなかったために昇格では事足りず、他の部署の課長代理だった人が昇格して来ることになったのである。
その名も「バリー岡田」。
どうしてバリーなのかについて部長は、
「そのうちわかるべ」
とにんまり笑って言っていたが、噂によると「仕事をバリバリやるから」と言うことらしいのである。
バリー岡田は52才。昔、情報システムを経験したことがあるそうで、その頃、今回重役になった元部長を「教えてやった」という実績の持ち主で、その他いろいろなジャンルの仕事をこなしてきたスーパーマンらしいのだ。
社内の掃きだめみたいに言われてきた情報システムに「バリー」という二つ名まで付いたバリバリ課長がやってきたと言うことは、それだけ我々の仕事が注目を浴びてきたと言うことなので、我々情報システム部員のやる気を大いに盛り上げる人事なのであった。
新体制となった当日の朝、部内ミーティングが開かれた。新部長以下ずらりと並んだ部員たち。当然まずは部長が挨拶をした。
「ほんづつ(本日)より、すんたいせい(新体制)になりますた。んだけどまぁーやることは一緒だべ。がんばんべーや」
部長になってもやっぱり訛りは治らない。
そして新任者の自己紹介が簡単に終わり、最後に締めの挨拶に副部長の綾部さんを指名・・・・・・というところで突然バリー岡田が割り込んだ。
「いやいやいやいやどーもどーも。まーあのぅー、指名もされてないのになんですが、わたしも縁があってこの度情報システム部に配属となりまして。まーこのー、今後の会社の発展のために、まーあのー、課長として精一杯やりたいと思ってますので一つよろしく。それでは情報システム部のますますの発展を祈念いたしまして、一本締めに行きたいと思いますが。はい、お手を拝借。パンッ! ありがとうございましたぁ〜!」
あまりの強引な割り込みに進行役の武田監査課長は口をあんぐり開けているだけだった。
出番をさらわれてムッとする綾部副部長にはめもくれず、バリー岡田は選挙運動中の候補者のように部員たちに左右の手を振って愛想を振りまきながら席に戻っていくのであった。
「おい、ヒラリーマン」
「なんすか、部長?」
「なんでバリー岡田っつーか、わかったべ?」
「ええ、なんとなく・・・・・・」
「でしゃバリー岡田の略だわ」
やっぱりね〜。